SOKUYAKUウェルネスビューティーコラム

化粧品の「美白」機能とは

「美白効果」とは

化粧品で言う美白効果とは紫外線や肌の炎症によって起こるシミやソバカスなどの色素沈着を事前に防ぐことを言います。
色素沈着といっても実際にメラニン色素が入れ墨のように肌内部にたまるのではないのです。
多くの場合はメラノサイトがメラニン色素の合成を促進させ、その結果、メラニン色素の詰まったメラニン顆粒を多量に受け取った表皮基底細胞が増えた状態を言います。
このようにしてできているシミやソバカスに見える部分の表皮基底層は他の部位よりもメラニン色素の量が多く含まれて黒く見えるのです。
見かけはメラニン色素が皮膚に沈着しているように見えるので色素沈着と呼ばれたと考えられます。

シミの皮膚組織写真

美白成分の働き

美白効果は、きっかけとなる紫外線の刺激を防ぐための紫外線防御効果と、 その後で起こるメラノサイトでのメラニン色素合成反応を抑制する効果のどちらか、または両方の効果で発揮されます。
しかし一般的には後者のメラニン色素合成反応を抑制する効果が美白効果とされています。
メラニン色素合成反応を抑制する仕組みとしては、メラノサイト内でのチロシンがドーパとなりドーパキノンとなる 反応を抑制することがポイントとなり、この反応を促進しているチロシナーゼという酵素の働きを抑制することです。

メラニン色素合成の代謝経路

その他、黒いメラニン色素(ユウメラニン)でなく薄茶色の肌色をしたメラニン色素(フェオメラニン)への誘導やチロシナーゼを作る遺伝子の活性を抑えるとか、 メラノサイトにメラニン色素合成を指令するサイトカインという成分の働きを抑えるなど多数のメカニズムが発見され、 それぞれの働きをもつ美白成分の開発と応用が進んできています。
現在では、複数のメカニズムに対応した複数の美白成分を配合した美白製品が主流となっています。

「サイトカイン」とは

免疫に関係する細胞から分泌されて他の細胞に何らかの指令を与える成分です。タンパク質の一種で現在多数発見されています。

【引用著書】

プロのためのスキンケアアドバイスの基本:第1章 P38~40
※当コラムはフレグランスジャーナル社/岡部美代治 (著)から特別に許可を頂き、加筆・修正した記事を掲載しています。
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